メール・LINEの証拠能力

メール/LINEの証拠としての能力


メールの文章で性交の存在を確認ないし推認出来る例は少なく殆どが「愛してる」、「好き」、「何時にいつもの場所で」といったもので性交の存在を証明するメールは殆どないと言ってよい状況です。
従って証拠が「携帯電話のメールを見た」「メールを写真に撮った」というだけの方は、相手が「性行為の存在」を認めない場合、メール程度では調停・裁判の不貞の証拠(慰謝料請求の資料)としては通用しません。


携帯電話のメールのチェックだけでなく、保存されている写真画像・写メールのチェックも大切です。
こちらの方がお宝画像が残っている可能性が高いのです。
運がよければ配偶者・愛人の全裸の写真、陰部の接写、SEXの動画が残っていれば勿論、不貞の証拠になります。
携帯電話の技術の進歩で、静止画素数も17万画素のものもあり、携帯の写真・ムービー共そのきれいさに驚かされます。
携帯電話の写真・ムービーといえども、あなどれません。

問題は、携帯電話に、愛人の写真・デートの写真はあったが、配偶者・愛人とも服を着ている写真の時、「配偶者以外の人間とデートするだけでも精神的には不貞だ」と叫んだ所で、調停・裁判では通用しません。

こういう場合、直ぐに配偶者を問い詰めず「黙って裸の写真にエスカレートするのを待つ」、「経済的に余裕があれば調査会社に依頼する」のがベターです。
直ぐ問い詰めた場合、それ以降、証拠は全て消されてしまう事は覚悟してください。


「不貞の証拠」とは、最高裁の判例で「性交の確認ないし推認できるもの」でなければなりません。
通常、メールでは「何時にどこで会う」、「愛してる」程度の連絡に使用され、交際している事実は分かりますが、「性交の確認ないし推認」が出来る電子メールは殆どないのが実情です。
従って、一般的には決定的な「不貞の証拠」が別に必要です。
電子メールは、状況証拠として利用する事を考え、プリントする或いはUSBメモリ等にコピーを保存しておきましょう。


上記は、相手が不貞を否定する事を前提に説明しました。
逆に、相手がメールで浮気がばれたのをキッカケに、離婚協議の場でも、調停・裁判の場でも、「不貞の事実を積極的に認め、慰謝料を支払って早く離婚したい」と主張し、不貞の事実に関しては争いがない場合、電子メールでも立派な証拠となりますが、こういう人は少なく
お金(慰謝料)が絡んでくると、たいていは「夫婦不和の悩みを相談していたが、肉体関係はない」と言い張ります。
肉体関係を認めれば、数百万円の慰謝料を支払わなければならない立場に追い込まれるのであれば、うそをついて逃げようとするのは当然の行為でしょう。
離婚協議が成立せず、離婚調停となり、相手方に弁護士がついた場合、相手方弁護士は開き直ってこう言います。「申立人がそこまでおっしゃるなら『肉体関係があったという証拠』を見せてください」
くやしい思いをしないように、事前準備を十二分にすることが大切です。

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